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★ 2006年8月更新 ★

このページでは、ラジニ様のプロフィールとは別に
ここ2〜3年のラジニ様の動きに絞って
近況をまとめてお伝えいたします。

単なる「映画スター」の枠組みを超え、
タミルナドゥ州の人々のリーダー的存在となり
(現地ではよくラジニ様のことを「タレイヴァル」と
 呼んでいますが、この言葉は「リーダー」
 という意味です。)
時には政治とも密接につながりを持つラジニ様。
そんな背景があるため、
ラジニ様を取り巻くニュースは映画の話題にとどまらず
タミルナドゥ州全般のニュースに広がります。
そのようなやや難解な部分についても
少しわかりやすくまとめてみました。
ラジニ様映画を観る上でのご参考に
ご活用いただければ幸いです。


近況―1 「バーバー」の興行的失敗とラジニ様の対応

▲「バーバー」上映100日突破
記念ポスター



▲こちらは6週上映達成記念。
ポスターが多いほど
人気映画の証となります。

2003年8月、
3年ぶりに公開されたラジニ様新作【バーバー】は、
当サイトの特集ページでもご紹介しているとおり、
初期のフィーバーはすさまじく、また映画の内容も
なかなか素晴らしいものであったにもかかわらず、
政治的な圧力(※1)、そしてやや新興宗教的な
色合いの濃い内容が敬遠された他、
ラジニ様自身が劇中のセリフで
「政治は簡単な仕事でないから、
 善良な政治家に任せる」と発言したことから
熱狂的なラジニ信者が失望し、
興行的には(ラジニ様作品としては)成功とは言えない
結果に終わりました。

しかし、ラジニ様はこのことによって評判を下げることはなく、
逆に評価を上げる結果に結びつかせています。
それはラジニ様の映画館に対する対応です。
【バーバー】の興行収入が思ったより上がっていない
ことを知ったラジニ様は、迅速に対応を検討。
その結果、1億6000万ルピー(約4億円)の
損失補てんを劇場他に還元することを決定。
この決定に、映画館主たちは
「さすがはラジニ様!」と絶賛。
損失を被った劇場オーナーでさえも
次回作への期待を口にするほど
ラジニ様への信用をより深いものにしました。

このことが、後の【チャンドラムキ】大ヒットに
つながっていきます。


▼(※1)=政治的な圧力
 ラジニ様と対立する政治グループ
 「PMK」(=勤労者党/代表:ラマダス)
 によって、映画館の襲撃・フィルム強奪などの事件が
 相次いで発生。
 これにより地方では【バーバー】の上映を途中で取り止める
 映画館まで発生しました。
 


近況―2 カーヴェリー川治水問題とラジニ様断食運動

▲真剣に表情で断食集会にのぞむ
ラジニ様(上)と
携帯電話で連絡を取り合う
ラジニ様(下)▼




▲抗議断食集会の様子。
映画関係者の姿も多い。
ラジニ様の右隣は、【バーシャ!】の
ランガサミ役ヴィジャヤクマール氏。



▲ラジニ様抗議断食集会に
賛同して集まった
おびただしい数の市民。



▲集会を成功させた後
テレビのインタビューに答える
ラジニ様。
政治家をも超えるマイクの数。
ラジニ様のひとことに
注目が集まっている
なによりの証拠です。



▲大迫力の演説。

【バーバー】の公開終了後、
次に待っていたラジニ様への試練は
「カーヴェリー川治水問題の再燃」です。

「カーヴェリー川治水問題」とは、
タミルナドゥ州とカルナータカ州の間を流れる
カーヴェリー川の農業用水をめぐる治水権利問題で、
どちらの州が治水権を持つか、といった内容で
昔から闘争が繰り返されてきた歴史があります。
ラジニ様は、生まれはカルナータカ州
活躍しているのはタミルナドゥ州ですので
この問題に対しては微妙な立場にあり、
同時に、「ラジニ様を蹴落とそう」とする人には
またとない攻撃チャンスになる問題であるわけです。

当時のタミルナドゥ与党政権「AIADMK(※2)」は、
この治水権利問題について強攻策をとっており
1998年にはインド・パジパイ首相が
南インド4州と協議した「治水権利問題妥協案」を
突っぱねるなどした歴史がありました。

ラジニ様はこの時も、どの政党を支持・不支持
というのは明確に断言していませんでしたが
過去にAIADMKの党首・ジャヤラリターの
汚職・脱税疑惑を批判しており、
(ジャヤラリターは、過去にこの汚職疑惑で
 逮捕されています。疑惑は現在でも山積みです)

この勢力に対抗する政党「DMK(※3)」(現与党政権)を
応援する立場を取っていました。

この問題でまず立ち上がったのは
ラジニ様作品の監督もしたことがある、有名映画監督。
「カルナータカ州との州境付近で
 映画スターも集めて大規模な抗議集会をやろう!」
とノロシを上げ、これにタミル映画俳優協会会長
ヴィジャイカーント氏など多数の映画関係者も賛同。
AIADMKは、この抗議集会をバックアップ。
ラジニ様は、自身がカルナータカ出身であることもあり
この集会の参加についてはノーコメント、を貫いていましたが
集会を企画したその監督などから
「ラジニカーントはタミルナドゥのスターであるが
 真にタミル人のことを考えてはいない。彼はカルナータカ人。」
などと批判され、一時は窮地に。
しかしラジニ様は、ここで映画さながらの逆転劇を演出します!

ラジニ様はまず、カルナータカに住むタミル人のことを挙げ、
「タミル人至上主義的な集会をすれば
 カルナータカ州に住むタミル人の安全は
 誰が確保するのでしょうか?」と演説。
同時に自身は、チェンナイにて独自の
「非攻撃的な抗議断食集会」を開くことを明言。
結果は・・。

AIADMKも協力した抗議集会のほうは
企画した有名監督自身が暴言を連発。
さらには政治宣伝のような集会になる場面もあり
治水問題のことは、もはやそっちのけ・・。
これには集会に参加したメンバーからも反発の声があがり
抗議集会は大失敗。
これに対し、その翌日にラジニ様が独自に開催した
「非攻撃的な抗議断食集会(カーヴェリーファスト)」は、
専門家・有識者から
「今回の問題で、冷静な対応を取っているのは
 いちばん問題から逃げたいはずのラジニカーント、
 その人だけだ。」
と絶賛を受けるほどの成功を収め、立場は逆転。
抗議集会のリーダー的存在だったヴィジャイカーント氏でさえ
ラジニ様の断食集会に駆けつけるなど、
窮地に立たされたラジニ様は、完全に勝利した形になりました。

なぜこの時期になって、カーヴェリー川の問題が再燃したか、
というのは諸説がありますが、
結果的にラジニ様が「作戦勝利」したこともあって
人々の間では、当時の与党政権AIADMK側が
バーバーの興行的失敗でややダメージのあるラジニ様に
トドメを刺すために、ラジニ様にとって
「どちらの味方もできない難しい問題」
を再び担ぎ出して、弱体化を図ったのではないか?
という噂も流れるほどになっていました。
いくらなんでも、それは実際は違うと思いますが、
そんなことが言われるくらいに
ラジニ様は、タミルの人々・そして政治に
「影響力がある」という証拠である、
と言える事件だったでしょう。


▼(※2)=AIADMK
 All India Anna Dravida Munnetra Kazhagam
 全インドアンナ ドラヴィダ同盟

 タミルナドゥ州の前与党政権。
 党首は、元映画スターMGRの妾、ジャヤラリター。
 ↓のDMKから分離してできた政党。
 党首・ジャヤラリターは1991年に州首相となるが
 その後汚職事件が表面化しDMKに敗北、逮捕。
 しかし巧妙な政治手法と選挙対策で
 その後州首相に返り咲く。
 ラジニ様は、ジャヤラリターの汚職・脱税疑惑を批判。
 パダヤッパの「ニーランバリ」は、
 暗にジャヤラリター州首相を表している、という話は有名。
 しかしその後、ラジニ様は政治的中立を目指し
 ジャヤラリターとも一定の距離を置きつつ協力関係を構築。
 しかし、政党は2006年の選挙でDMKグループに敗北し、
 再び野党へ転落。

▼(※3)=DMK
 Dravida Munnetra Kazhagam
 ドラヴィダ進歩同盟

 Mr. C.N. Annadurai(元映画脚本家)が1949年に結成。
 北のヒンディー中心主義に対抗してタミル政界に進出。
 圧倒的な支持を得て、タミル議会で多くの議席を勝ち取った。
 しかし、その後後継者争いが原因で
 DMKメンバーであった人気映画俳優「MGR」が離脱、
 AIADMKを立ち上げたことから、勢力が衰退。
 一時、ジャヤラリターの汚職疑惑により与党に
 返り咲いたが、その後野党に転落。
 ラジニ様はどちらかと言えば、この「DMK」を
 応援する立場にあると言われていた。
 2006年の選挙で再びAIADMKグループに勝利し、
 与党に昇格(ただし連立政権での与党)。
 80歳を超える党首、Mカルナニディが州首相に就任。


近況―3 ラジニ様、「生涯映画人」宣言!

▲映画俳優から州首相へ・・・
MGR(MGラマーチャンドラン)は
その代表格。
「バーシャ!」の映画スタート前に
登場するので、顔を知っている人も
多いのでは?



▲タミルの人々が求め続ける限り
ラジニ様は「スーパースター」として
これからも活躍を続けるでしょう。
【バーバー】の最後のシーンでは、
「ジ・エンド」と表示される替わりに、
「とだるむ(=続きます、という意)」
とテロップが出ました。

↑の「近況−2」でもお伝えしているとおり、
タミル映画界と政治は密接に関連しています。
過去のトップスターMGRや、
そのMGRの妾であったジャヤラリターも
州首相(CM)にのぼりつめていますし、
現州首相カルナニディは、映画の脚本を書いています。
(最近も【パサキリガル】という映画などを
 カルナニディが製作しています)
したがって、タミルナドゥ州の
トップ俳優であるラジニ様の政界入りは、
常に噂されてきました。
特に【アルナーチャラム】では選挙のシーン、
【パダヤッパ】でも政治的な場面が登場し、
さらに【パダヤッパ】の「ニーランバリ」が
ジャヤラリター元首相を暗に表していたので
より一層噂が広がることになりました。

しかし、ラジニ様自身が脚本を書いた
【バーバー】の作品中では、
周りの人々・仲間から
「バーバー(ラジニ様)が州首相になればいい」
という意見があがったのに対し
「州首相というのはそんなに(誰でもできるような)
 簡単なポストではない。
 善良な政治家に任せるのがベストだ。」
と、バーバー自身が答える場面が登場します。
これに呼応して、【バーバー】公開後
ラジニ様本人も記者から受けた
「政界入りの可能性はありますか?」
という質問に対し
「映画人は映画を作ることに対しプロであります。
 同様に、政治家は政治に対しプロであるわけです。
 どんなに頑張っても、その道のプロを超える
 能力を発揮することはできません。
 しかし、良い人を応援することはできます。」
という主旨の回答をされています。
このことが、ラジニ信者を失望させ
【バーバー】の興行失敗にもつながったわけですが、
これはラジニ様の「本心」であり、
この「生涯映画人表明」があったからこそ
次の【チャンドラムキ】成功があったと言えるでしょう。

 


近況―4 【チャンドラムキ】メガヒット、「インドNo.1スター」へ

▲【チャンドラムキ】公開日に
劇場に集結した
おびただしい数の
ラジニファン。


▲【チャンドラムキ】
連続1年上映を祝うポスター。
2005年4月14日(タミル新年)、
近年のラジニ映画とは全くおもむきが異なった
「サイコスリラー・コメディ映画」とでも言うべき
【チャンドラムキ】が公開。
ストーリーから完全に政治色を排除し、
民衆がラジニ様を担ぎ上げるシーンなども一切ない
という展開には「ラジニファンから再び失望を呼ぶのでは?」
という声が、一部であがりました。
しかし、その心配は無用でした。
↑でご紹介した【バーバー】以降の
ラジニ様の政治的中立行動が、民衆の心に
しっかりと根付いていたのです!
政治色が全くない【チャンドラムキ】は、
ラジニ様の新しい「スーパーヒーロー映画」として
すぐに受け入れられました。
さらに、ラジニ様が数々の問題を解決する
「タレイヴァル(=リーダー)」であることには変わりない、
というスタイルが、熱狂的ラジニ信者にも許容され
この映画は「連続上映500日」を記録する
メガヒットとなりました。

【チャンドラムキ】のヒットは
タミルナドゥ州内にとどまらず、
アンドラプラデシュ州や、国外のマレーシアなどでも
記録的な配収を達成しました。
これにより、ラジニ様のギャラも
ついにヒンディー映画のトップスター
シャールクカーンをも追い抜き、
名実共に「インド・ナンバー1のスーパースター」へ
駆け上がったことになります。
【バーバー】の興行的失敗で、
一時は引退も囁かれたラジニ様が
「完全復活」どころか、より「パワーアップ」して
タミル映画界に帰ってきたのです!

【アルナーチャラム】
【パダヤッパ】など

ラジニ様の政界入りを
暗に示唆する内容。
ラジニファンの中でも
熱狂的な人々が好む内容。
【バーバー】

「政治は専門家に任せる」
というスタンスを宣言。
一時はショックで
熱狂的ファンを中心に
失望が広がる。
しかし、この宣言により
政治的ゴタゴタに
巻き込まれることがなくなり
映画活動に専念できる
ようになる
【チャンドラムキ】

全ての政治色を排除。
「政治ネタがなくとも
ラジニ映画はヒットする」
ということを見事に証明。
熱狂的ファンは
ラジニ様の政界入りを
あきらめていないが
【バーバー】以降の
はっきりした
意思表示がきいて
失望感はなくなる。


近況―5 【シヴァージ・ザボス】2007年5月公開へ!

▲2007年5月公開予定の
【シヴァージ ザ・ボス】。
【アンニヤン】や【ボーイス】など
最近ヒット作を連発している
シャンカール監督の作品、
ということで、ファンの期待は
【チャンドラムキ】をも超える勢い
となっています。

【チャンドラムキ】のメガヒットで
タミルナドゥ州、そして全インドの「スーパースター」
としての立場を確固なものにしたラジニ様。
しかし、その人気に胡坐をかく暇もなく
次回作の撮影が進行中です。

新作のタイトルは
【シヴァージ ザ・ボス (Sivaji the BOSS)】。
日本公開作品でもある【ジーンズ 世界は2人のために】で
監督をつとめたシャンカールがメガホンを取ります。
音楽担当は【ムトゥ】や【パダヤッパ】と同じく
作曲AR.ラフマーン、作詞はヴァイラムットゥ他の「黄金コンビ」。

シャンカール監督は、映画公開日まで
一切情報を外に漏らさないことで有名なので、
現在のところ、ストーリーなどについて
詳しくはわかっていませんが、
【チャンドラムキ】同様、どんな政治色もない映画に
なる見込みです。

撮影は順調に進んでおり、
ミュージックシーンの一部はスペインでロケが行われました。
公開されている写真を見る限り、
ラジニ様は【ジョニー】公開当時(約25年前)の若々しさで
まだまだヒーロー役として活躍できることを
堂々と証明しています。

一部で、タイトルの【シヴァージ】はラジニ様の本名のため
この映画を「ラジニ映画の総集編」的なものにして
引退するのでは、という噂もありますが
ラジニファンの映画に対する期待はまだまだ大きく、
2007年以降も「ラジニフィーバー」が
まだまだ続くのは間違いありません。


この「近況」は、2002年の【バーバー】公開から
2007年4月頃までの動きをまとめております。
これ以降の最新ニュースにつきましては
ラジニ★jpニュース】のページをご参照くださいませ。

なお、政治に関する記事につきましては、
私のほうも全くタミルの政治には詳しくないため、
タミル人のお友達に聞いたり、インドの政治について書かれたインターネットサイトを参照して
独自にまとめたものです。
したがいまして、一部解釈に誤りがあるかもしれません。
お気づきの点がございましたら、【掲示板】にてお知らせくださいませ。


★ このページのキメゼリフ ★
政治家は
約束は忘れるが
受けた屈辱は忘れない


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